コミュニティユースワーカー活動報告

NPO法人PIECESが運営するコミュニティーユースワーカーの活動報告ブログ

CYW紹介:塚原萌香

初めまして、CYW1期生の塚原萌香と申します。
現在、中野区の小規模保育園で保育士をしており、保育士2年目となります。
普段は0~2歳の子ども達と関わりながら、勤務後や土日の時間でCYWプログラムに参加させていただいております。
以下、①CYWプログラム参加へのきっかけ、②CYWプログラム参加の感想、③これからどのようなことをしていきたいか、について記述していきます。

【① CYWプログラム参加へのきっかけ】
大学時代に教育学を学び、児童養護施設で虐待を受けた子ども達と関わり続ける中で、そして自分自身の親子関係に溝があり、親と子の関係の在り方について考えてきました。虐待を受けても、お母さん・お父さんのことを思う子ども達と接する中、自分には何ができるのだろうと、ずっともどかしく感じ、妊娠期のママに関わることで親子関係に悩む子ども達がより生きやすく、自分自身の人生を全うできたらなと考えました。
以前よりPIECESの活動はSNS上で追っていたのですが、そこで10代ママと関わっている事、そしてCYWの募集を見つけ、やりたいと直感的に感じ応募したのがきっかけです。

【② CYWプログラム参加の感想】
現在、私は子ども達と、個別・集団の2つの場に関わっています。
個別では主に10代ママ、集団では主に高校生~大学生の子ども達と接しています。
そのなかで、子ども達と関係を構築し相手の思いに触れて、自立に向け共に伴走していけたらと思っています。
1対1で関わるなか相手のこれまでの複雑な家庭事情や背景を知ることがありました。自分はその子と同じ経験をしたことがなく、全てにおいて共感することはできないかもしれません。ですが、真摯に向き合い自分自身も自分をオープンにして接していくなかで、横並びの関係として一緒に目の前のことを考えていけるような関係を作っていきたいと思っています。
人と関わるなか、自分の未熟な部分に気がつく場面が多くあります。自分の中の「こうすべき」という価値観が根強く、フラットに子ども達と関わることができていない自分に気付いた時はとてももどかしく感じました。しかしこのようなもどかしさや自分の未熟さと対峙することにより自分が変化するきっかけをもらっていると感じました。
CYWプログラムでは、自分や相手に向き合う中、自分の価値観や人との向き合い方について見つめ直す機会が多くあります。そして何より同じCYWとしての仲間がいます。
仲間と一緒に関係を構築したり、場を作ったりと今後もとても楽しみです。これから一歩ずつ歩んでいけたらと思っています。

【③ これからどのようなことをしていきたいか】
今後は10代ママをサポートする体制を作っていきたいと考えています。
具体的には、以下の通りです。
<暮らし>家事・子育てのサポート
<心理面>関係作り・悩み相談
<勉強>高校卒業認定試験に向けて
<お金>公的サポートとの連携

しかし、まずは何よりも目の前のママとの関係作りだと思っています。
目の前の子が何を望み、これからどうしていきたいかを聞きだしていく中で、その思いにそって共に考え進んでいきたいと思っています。そのうえで、「ママ」としてではなくその子自身に向き合い関わっていきたいです。

富士通とのコラボイベント〜デザイナーの頭の中を知ろう〜

富士通のデザイナーの方々とPIECESに関わる中高生でイベントを行いました。
デザインとは何か、デザイナーの頭の中をのぞいてみようという企画で、体験のワークもありました。デザイナーの仕事の紹介に始まり、六本木のまちをフィールドワーク、気づきからアイデア作りと一連の流れを体験。
会場は六本木のHAB-YUで、そもそも六本木に行くことすら初めての子も多く、みんなすごく楽しそうでした。
http://hab-yu.tokyo

 

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デザイナーといってもいろいろな仕事があることを初めて知った!デザインはすごく身近なものなんだと話す子、中には今回のイベントをまとめて夏休みの自由研究にすると言っている子もいました。

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今回のイベントはデザイナーの方の生い立ちなども話してもらいました。
子ども達と境遇のにている部分もあり、そうした環境を生き抜いてきたからこそ、悩んできたからこそ、他の人と物事を違う視点で考えられるようになった。だからデザインという仕事が私には向いてるんです。と話してくれました。こうした似たような境遇の人が、社会で活躍している姿は多くの子の刺激になったのではないかと思います。

今回は、子ども達もそうですが、私たち自身もデザイナーの頭の中を知ることができ、非常に学びがありました。課題を発見する力、これはこうした事業をやっている私たちにもすごくすごく必要な視点なので、今回は私たちにとっても良い機会でした。

 

こうしたイベントを開催していて思うのですが、毎回諸事情あって参加できない子がいるんです。

どうにかこうした機会を届けたいと思っても、やむをえない事情で参加できず。そうした子たちのためにもまた次回も開催できたらと思いますし、
遠出をしなくても様々な機会にアクセスできるような工夫を考えたいです。

そして、今回はスタジオタカノの高野ゆうじさんが素敵な写真を撮ってくれました。http://www.studio-takano.co.jp
スタジオタカノの皆さんとはこれから一緒にPIECESの活動を切り取った写真展を開催する予定です。
これから活動の写真が素敵な形で切り取られていくと思いますので、お楽しみに。

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CYW紹介:安森正実

初めまして!CYW1期生の、安森正実(ヤスモリ マサミ)と申します。
私は今大学1年生で、心理学を専攻しております。将来は臨床心理士として活動し、また24時間誰でも駆け込むことができる施設を作ることで、より多くの人々を助けていきたいと考えております。今回は、なぜCYWのプログラムに参加しようと思ったか、そして参加してみた感想、これからどのようなことをしていきたいか、の3つについて述べていきたいと思います。

① なぜCYWのプログラムに参加しようと思ったか
私は18年間、周りの方々に迷惑ばかりかけて生きてきました。私はその経験をふまえ、「今度は自分が周りを助ける番だ!」と考えているとき、見つけたのがこの活動でした。子ども達と継続的な関係を築けるこの活動は、子ども達が奥の奥に抱えている問題に気づくことのできる素晴らしい活動であると感じました。またその活動を通して子ども達がどのような問題を抱えているかを知ることによって、現代の社会問題やその問題における解決方法を見出すことができ、そしてそのようなことは、将来の私の夢でもある施設づくりにつなげることができるのではないかと考えたのです。

② CYWのプログラムに参加した感想
この活動は、子ども一人一人に向き合い、可能性を信じ、寄り添うような場所を自ら作っていくことができるような活動であると感じます。活動の場はアットホームな雰囲気に包まれ、行動を制限されず、皆がやりたいことを自由にできる場であります。目の前にいる子どもの気持ちに寄り添うことでその気持ちが相手に伝わり、結果的にその子の可能性を広げていくことにつながる、そのような過程を間近に見られる環境があることは、とても素晴らしいことだと考えます。また子ども達と継続的にかかわっているからこそ少しの変化にも気づきやすく、その子どもに対してどのようなことをしていったらよいか、早めに考えを打ち出していくことができます。一人ひとりの子どもに対してどのように関わることが一番適切なのか、悩みながら活動することは大変ですが、ひとつの楽しみでもあるのです。
活動の場から、自分が感じたことを大切にして学びを深めていくことが大切であり、自分の考えをきちんと相手に伝えていきながら、子ども達が持っている可能性を広げていくことが重要であると考えます。これからの活動では、決まった子にだけではなくその場にいる多くの人と関わることができるようにしたり、浮き彫りになったものを見つけ出したりしていくことで、ピンチをチャンスにかえられるタイミングを逃さないよう努めていきたいです。

③ これからどのようなことをしていきたいか
 子どもにとって大切なことは、大人から「愛」をもらうことだと私は考えております。食事を一緒に食べてくれる大人、一緒に遊んでくれる大人、話を聞いてくれる大人が必要なのです。また、さまざまな人と出会って自らの視野を広げ、常識的なことを学ぶ環境を作ることも重要です。私はこれからも、そのような場を作り、少しでも役に立ちたいという思いがあります。
そして、人生を一生懸命に生き、後ろを振り返ったとき、この人生は素晴らしいものだと感じられるような人生を生きること、それは私たちにとって大きな意味があると考えます。前を向いて前進すること、そうすれば生きる喜びが見えてくること、そしていろいろな人々と関わり、自らの価値観を広げていくこと、そこで出会ったたくさんの人たちに助けを求めてもよいこと、それらをこれから生きていく子ども達に伝えていくことが必要なのです。「自分は愛されている。上を向いて歩いていこう。」と考えることができる子ども達が増えていくよう、人間の本質を理解していきながら、これからも自らが考えていることを子ども達に伝えていきたいです。
 実際の活動としては、横浜で活動の動きがあったらそちらの方の活動に参加させていただきたいと考えております。私の夢である24時間誰でも駆け込むことができる施設の実現に向けて、日々頑張っていきたいです!

CYW紹介:坂牛怜

はじめまして、PIECESのコミュニティ・ユースワーカー(CYW)第1期の、坂牛怜(さかうし りょう)です!この記事では、私の簡単な自己紹介の後、1)「これまでCYWプログラムに参加してみての感想」、2)「これからどのようなことをしていきたいか」、3)「プログラムに期待することは何か」の3点について書いていきます。

【0)自己紹介】
 「うっしー」こと、自分は、10~17歳までドイツで暮らし、日本の「自殺」問題に関心を持っていたため帰国し、いまは大学で(途中、留年を経験しながら・・・)社会学/人類学を学んでいます。と同時に、ユースリンクという学生団体で、生きづらさを抱えている学生の居場所づくりに取り組んでいます。趣味は音楽や読書、アニメ、ゲームです。来年度からは、障害をもつ人の就労支援などを事業とする企業で働く予定です。
 PIECESのことは、自殺予防の活動で知られる、NPO法人OVA代表の伊藤次郎さんによる告知で知りました。

【1)これまで参加してみての感想】
 CYWのプログラムでは、いま目の前にいる子どもと自分とがどんな関わり合いができるのかを、相手に対しても、自分自身に対しても真剣に向き合います。相手と自分の両方を探求し、理解を深めてく機会に恵まれたプログラムだと捉えています。
 元々私がCYWを志望したのは、一人一人に寄り添って相手を「みる」力を培っていきたいと考えていたからです。自分は抽象的思考が得意である一方、自分の脳内で物事が綺麗につながってしまうと、目の前にいる人や実際の現実をろくに「みる」こともせずに判断してしまいがちです。しかし、例えばCYWとして接した子どもの一人に、親との衝突で家出をした子がいました。その子どもへの寄り添い方についてPIECESで話し合ったとき、自分の経験や知識から生まれる判断をいったん保留し続けて、その子の背景、行動、表情、会話、周囲との関係性、すべてをひっくるめて「みる」ことを続けて向き合うことの重要性を改めて痛感しました。こんなにも目の前にいる人に関心と意識を向けることは、自分にはまだ難しい試みで、それゆえ大変でもあるのですが、大きな成長を予感することができるので、やりがいを感じつつワクワクしています。
 またCYWのプログラムは、自分自身に対しても、自分が得意とする/苦手とする人間関係が何なのか、自分も相手も自然でいられる条件が何なのか、自分の特性、過去、今後なりたい自分が何なのか、向き合っていく環境だと考えています。例えば、大人数の子どもたちと接することで、自分が元々、お互いに波長の合う少数の人たちと信頼を築いていくスタイルをとってきたことを自覚して言語化したり、相手に対して好かれようとしたり認められたいと思ったりする自らの感情の働きに気づいて言語化したりする機会に恵まれています(そもそもなぜ好かれたいと思うのか、認められたいと思うのか、など)。こちらも、自分の人としての未熟さ、弱さを自覚させられるので落ち込みますし、変えにくい特性を受け容れることも難しいですし、大変です。ただ、私のこれまでの周囲との関わり合いの中で歓び、傷つき、支えられて成長してきたように、CYWプログラムでも、たった1人でもいいので、お互いに信頼し合い、成長し合える関係性を築くことを通して、変えられる部分を成長させ、変えられない部分を受け容れていきたいと思っています。

【2)これからどのようなことをしていきたいか】
 上の方で既に述べてるように、目の前の子どもを「みる」ことと、自己理解を深めることです。また、今後は子どもとの信頼関係を深めていき、本人が生きることに自然と肯定的になれる場所へとつなげたり、本人が必要としている資源へとつなげたりしたいと考えています(既にその試みは、例えば某企業のデザイナーとの共催によるワークショップなどで行われました。子どもたちに特別な影響を及ぼす機会へと、本人の求めに応じてつなげていきたいです)。
 また、いまはCYWの一人一人が自分なりの子どもたちとの接し方を試行錯誤している段階のため、今後は、お互いの得手不得意を活かして連携し、独自のチームとして子どもたちと関わっていければと考えています。これを具体的に考えるためにも、先ずは自分自身の子どもとの触れ合いを確立していくことを、当面の目的としています。
 もう一つ、抽象的なレベルでやりたいことがあるのですが、CYWプログラムに期待することと関連するので、後述します。

【3)プログラムに期待することは何か】
 ここまで、CYWとしての普段の実践について述べました。そこで重要視されるのは、一人一人の子どもとの関係構築です。ただ同時にCYWは、私の解釈では、そういった関係に基づき、長期的な視点から、未来の社会においてどのような支え方、関係性、居場所の在り方が望ましいのかをも意識します。 CYWは、子どもたちの抱える困難をたんに対処療法的に処理するのではなく、社会における既存の価値観や人間関係の在り様を変えていくことで、子どもたちとともに、いまだ存在しない、いまを乗り越える社会を創り上げていく、と考えています。
 いまを乗り越える社会を創り上げることには、痛みが付き添います。しかし、CYW第1期の一人である自分が、その痛みを引き受ければ引き受けるほど、我々の後を継ぐ第2期、3期のCYWたちがより安定した環境で努力することができ、PIECESが理想とする社会の現実への着地もより早く実現されます。
 だからこそ私は、子どもたちにとっての家庭でも学校でもない空間の居場所化に挑戦したいと思えますし(その挑戦は私に対して、これまで通りの楽なコミュニケーションを安易に取らせず、全く新しい人との触れ合い方を求めるため、チャレンジングです)、長期的な観点からPIECESのアクセスできる資源を増やしていく足場を固めていきたいと思います(それには長い時間が必要なので、恐らく、半年間のプログラムだけでは不十分な形で終わるでしょう)。
 むろん、私は自分が犠牲になろうだなんて甚だ思っていません。また、私自身の健康と生活を尊重する上で、現実的な範囲で頑張っていくつもりです。このCYWプログラムに期待することは、すなわちその担い手である私自身への期待でもあるため、最後に自らの覚悟について述べさせていただきました。

 長文となりましたが、ここまで読んでくださり、ありがとうございます。PIECESでは、他のCYWはもちろん、どこか癖のある魅力的な方々と触れ合えるため、ワクワクしながら活動しています。また、子どもたちと接していても、共通の趣味や悩みを抱えていて思わず共感したり、こちらも心を痛めるような状況にいたり、あるいは秘められた可能性に心躍ったり、実に多層的な感情を抱きます。なによりも、自分自身の生き様を子どもたちが見て(ある程度)影響を受けるのだということを意識すると、少しでも子どもたちが生きることに肯定的になり今後のことをワクワク感じられるためには、自分自身がどう生きて、振る舞えばよいのかという視点をもらえています(この時点で、私自身が子どもたちから影響を受けています)。本当に素敵なプログラムなので、ぜひ多くの方々に関心を持っていただければと思います。

坂牛 怜