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コミュニティユースワーカー活動報告

NPO法人PIECESが運営するコミュニティーユースワーカーの活動報告ブログ

CYW紹介:坂牛怜

CYW1期生紹介

はじめまして、PIECESのコミュニティ・ユースワーカー(CYW)第1期の、坂牛怜(さかうし りょう)です!この記事では、私の簡単な自己紹介の後、1)「これまでCYWプログラムに参加してみての感想」、2)「これからどのようなことをしていきたいか」、3)「プログラムに期待することは何か」の3点について書いていきます。

【0)自己紹介】
 「うっしー」こと、自分は、10~17歳までドイツで暮らし、日本の「自殺」問題に関心を持っていたため帰国し、いまは大学で(途中、留年を経験しながら・・・)社会学/人類学を学んでいます。と同時に、ユースリンクという学生団体で、生きづらさを抱えている学生の居場所づくりに取り組んでいます。趣味は音楽や読書、アニメ、ゲームです。来年度からは、障害をもつ人の就労支援などを事業とする企業で働く予定です。
 PIECESのことは、自殺予防の活動で知られる、NPO法人OVA代表の伊藤次郎さんによる告知で知りました。

【1)これまで参加してみての感想】
 CYWのプログラムでは、いま目の前にいる子どもと自分とがどんな関わり合いができるのかを、相手に対しても、自分自身に対しても真剣に向き合います。相手と自分の両方を探求し、理解を深めてく機会に恵まれたプログラムだと捉えています。
 元々私がCYWを志望したのは、一人一人に寄り添って相手を「みる」力を培っていきたいと考えていたからです。自分は抽象的思考が得意である一方、自分の脳内で物事が綺麗につながってしまうと、目の前にいる人や実際の現実をろくに「みる」こともせずに判断してしまいがちです。しかし、例えばCYWとして接した子どもの一人に、親との衝突で家出をした子がいました。その子どもへの寄り添い方についてPIECESで話し合ったとき、自分の経験や知識から生まれる判断をいったん保留し続けて、その子の背景、行動、表情、会話、周囲との関係性、すべてをひっくるめて「みる」ことを続けて向き合うことの重要性を改めて痛感しました。こんなにも目の前にいる人に関心と意識を向けることは、自分にはまだ難しい試みで、それゆえ大変でもあるのですが、大きな成長を予感することができるので、やりがいを感じつつワクワクしています。
 またCYWのプログラムは、自分自身に対しても、自分が得意とする/苦手とする人間関係が何なのか、自分も相手も自然でいられる条件が何なのか、自分の特性、過去、今後なりたい自分が何なのか、向き合っていく環境だと考えています。例えば、大人数の子どもたちと接することで、自分が元々、お互いに波長の合う少数の人たちと信頼を築いていくスタイルをとってきたことを自覚して言語化したり、相手に対して好かれようとしたり認められたいと思ったりする自らの感情の働きに気づいて言語化したりする機会に恵まれています(そもそもなぜ好かれたいと思うのか、認められたいと思うのか、など)。こちらも、自分の人としての未熟さ、弱さを自覚させられるので落ち込みますし、変えにくい特性を受け容れることも難しいですし、大変です。ただ、私のこれまでの周囲との関わり合いの中で歓び、傷つき、支えられて成長してきたように、CYWプログラムでも、たった1人でもいいので、お互いに信頼し合い、成長し合える関係性を築くことを通して、変えられる部分を成長させ、変えられない部分を受け容れていきたいと思っています。

【2)これからどのようなことをしていきたいか】
 上の方で既に述べてるように、目の前の子どもを「みる」ことと、自己理解を深めることです。また、今後は子どもとの信頼関係を深めていき、本人が生きることに自然と肯定的になれる場所へとつなげたり、本人が必要としている資源へとつなげたりしたいと考えています(既にその試みは、例えば某企業のデザイナーとの共催によるワークショップなどで行われました。子どもたちに特別な影響を及ぼす機会へと、本人の求めに応じてつなげていきたいです)。
 また、いまはCYWの一人一人が自分なりの子どもたちとの接し方を試行錯誤している段階のため、今後は、お互いの得手不得意を活かして連携し、独自のチームとして子どもたちと関わっていければと考えています。これを具体的に考えるためにも、先ずは自分自身の子どもとの触れ合いを確立していくことを、当面の目的としています。
 もう一つ、抽象的なレベルでやりたいことがあるのですが、CYWプログラムに期待することと関連するので、後述します。

【3)プログラムに期待することは何か】
 ここまで、CYWとしての普段の実践について述べました。そこで重要視されるのは、一人一人の子どもとの関係構築です。ただ同時にCYWは、私の解釈では、そういった関係に基づき、長期的な視点から、未来の社会においてどのような支え方、関係性、居場所の在り方が望ましいのかをも意識します。 CYWは、子どもたちの抱える困難をたんに対処療法的に処理するのではなく、社会における既存の価値観や人間関係の在り様を変えていくことで、子どもたちとともに、いまだ存在しない、いまを乗り越える社会を創り上げていく、と考えています。
 いまを乗り越える社会を創り上げることには、痛みが付き添います。しかし、CYW第1期の一人である自分が、その痛みを引き受ければ引き受けるほど、我々の後を継ぐ第2期、3期のCYWたちがより安定した環境で努力することができ、PIECESが理想とする社会の現実への着地もより早く実現されます。
 だからこそ私は、子どもたちにとっての家庭でも学校でもない空間の居場所化に挑戦したいと思えますし(その挑戦は私に対して、これまで通りの楽なコミュニケーションを安易に取らせず、全く新しい人との触れ合い方を求めるため、チャレンジングです)、長期的な観点からPIECESのアクセスできる資源を増やしていく足場を固めていきたいと思います(それには長い時間が必要なので、恐らく、半年間のプログラムだけでは不十分な形で終わるでしょう)。
 むろん、私は自分が犠牲になろうだなんて甚だ思っていません。また、私自身の健康と生活を尊重する上で、現実的な範囲で頑張っていくつもりです。このCYWプログラムに期待することは、すなわちその担い手である私自身への期待でもあるため、最後に自らの覚悟について述べさせていただきました。

 長文となりましたが、ここまで読んでくださり、ありがとうございます。PIECESでは、他のCYWはもちろん、どこか癖のある魅力的な方々と触れ合えるため、ワクワクしながら活動しています。また、子どもたちと接していても、共通の趣味や悩みを抱えていて思わず共感したり、こちらも心を痛めるような状況にいたり、あるいは秘められた可能性に心躍ったり、実に多層的な感情を抱きます。なによりも、自分自身の生き様を子どもたちが見て(ある程度)影響を受けるのだということを意識すると、少しでも子どもたちが生きることに肯定的になり今後のことをワクワク感じられるためには、自分自身がどう生きて、振る舞えばよいのかという視点をもらえています(この時点で、私自身が子どもたちから影響を受けています)。本当に素敵なプログラムなので、ぜひ多くの方々に関心を持っていただければと思います。

坂牛 怜