コミュニティユースワーカー活動報告

NPO法人PIECESが運営するコミュニティーユースワーカーの活動報告ブログ

CYW紹介:木下瑞貴

はじめまして。
コミュニティーユースワーカー2期の木下瑞貴です。

私は[子どものための、家でも学校でもない第三の居場所づくり]を目指しています。

私自身、親との関係や学校での人間関係に困難があり、1人きりで辛い時期が長く続いていました。さらに高校時代に藁にもすがる思いで相談したカウンセラーには私が最も望まない行為を取られることで裏切りを感じ、そこからは人を頼るどころか人を信用することもままならなくなってしまいました。

 

現在ではJKビジネスが問題となっています。彼女たちの孤独さは、私にも通じるものを感じます。自分の置かれた環境になんらかの辛さ・悲しさ・寂しさを感じながら、そこから抜け出すために彼女たちなりに必死にもがいて、「生きる意味」「寂しさを埋めるつながり」を求め続けた結果として彼女らの前に立ち現れるのはその弱さ・脆弱さに付け入り彼女たちを利用しようとするオトナたちです。その背景にはそうした違法の性産業に需要があること(サービスを利用したいオトナがいること)があります。

さらに悲しいことに、利用しているのは紛れも無くオトナなのに、「なんで売るのか」と彼女たちを蔑視するオトナもたくさんいます。この社会の有り様は、社会ぐるみで行われている全日本をあげた構造的暴力だと思います。しかしこれが現状です。

 

生まれてくる親を決めることは出来ないと言うように、子どもが学校や周りの大人、家庭環境を選択することはできません。ただ「ついていなかった」だけ。そんなただの運ごときで、1人の将来が、可能性が左右されてはいけないと思うのです。

必死に毎日を生きて、それでも疲れてしまってリストカットなり違法ビジネスなり非行なりという形でSOSを発信している子どもたちに、異質な目で見る、蔑視するばかりでその子たちに手を差し伸べようとはしない社会。

私は人とのつながりが分断されたどこか冷たい現代社会に、人のあたたかみを取り戻したいと考えています。辛い時に素直に辛いと打ち明けられる存在は、今のご時世だからこそどの子どもにとってもこれまで以上に必要とされていると強く感じます。

 

みんなが平等に夢見れる、希望に溢れる社会に。

そこは、安心できる場所。生きている意味が感じられる場所。同じような環境にいる子同士で励ましあえる場所。自分に正直に、やってみたい!に挑戦できる場所。どんなやってみたい!も否定されないワクワクが止まらない場所。ありのままの自分でいられる場所。エネルギーのチャージスポット。自分に自信が持てて自分を好きになれて、強く生きられるようになる場所。

具体的には、学習支援塾のような形態を取り一人ひとりの些細な悩みや苦しみに向き合いながら、そしてその「場」で同年代の子たちと苦しみを分かち合うことで分かってくれる大人も友達も自分にはいるんだと繋がりを感じられる居場所をつくりたいと考えています。それを入口に、より気負わず本音を話せるように、一緒にご飯を食べられるような機能も備えたいです。

そうした見守ってくれる人がいるという安心できる暖かい関係性の中でエネルギーを蓄えられたら、たとえどんな小さなことでも大きなことでも「やりたい!」を否定されず、それぞれ自分のやってみたいことに存分に挑戦できるような、そのことによって自己肯定感が高まり、ひいては自分を大切にできるためのシステムを整えたいと思います。

 

今は他の団体に出向きよりよいプログラムの実践やアウトリーチについて吸収している最中です。その中で学びや気づきも多いですが、「固定化された居場所を持つとその居場所の中でもまた会社や学校同様人間関係が構築されるので、排除される人も出てきてしまう。学校の『外』として作ったものでも『内』になってしまう」という本質的な問題やその場一つに依存してしまうことの危険性などは今後の課題として考え続けるべきだと思っております。

今後はCYWとして現場での実践を積みながら、また多くの方・団体から学びながら、場の実現に向け精進を続けていきます。

f:id:pieces-org:20170202002825j:plain

 CYW2期生

木下瑞貴