コミュニティユースワーカー活動報告

NPO法人PIECESが運営するコミュニティーユースワーカーの活動報告ブログ

子ども支援のアイデアソン「クリエイティブケース会議」

福祉などの現場で子どものケースに関して話し合うケース会議というものがあります。通常は子どもの支援に関係する専門職などが集まり会議を行うのですが、PIECESはそのケース会議をアレンジして、企業の人、地域の人といった普段子どもに関わる仕事ではない人を集めて、福祉的な視点の限界を超えられ、子ども達により良い支援のアイデアを作れるよう「クリエイティブケース会議」と名付け、今回第一回目を実施しました。
 
クリエイティブケース会議では、参加者のネットワークの力を最大限活用することととアイデアにさらにアイデアを掛け合わせていくことで、困難な課題も突破していくことができるのでは、という前提のもと会議が行われます。
 

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参加者の自己紹介、PIECESで関わっている子ども達のケースの概要を10事例ほど説明しました。日々、子ども達と関わっていて、こんなことできたらいいのに、こんなことに困っているといった内容をシェアしました。
 
参加者の皆さんから、この子にこんな機会があったらいいのでは!こんな発想はどう?似ているアイデアがすでに実践されてるよ!といったことが次々出てきて、素敵なアイデアがたくさん生まれました。
 
日々、目の間で子どもに接していると抱えている課題の深刻さから、どうすることもできないのではないかと諦めそうになってしまうこともありますが、こうして多様な大人の力を借りることによって、多様な人が集まり、アイデアを出し合うことによって、その突破口が見つかると今回改めて実感しました。
 
深刻な課題を抱えている子達は行政や専門家だけしか見ることはできないのでしょうか。そうした子ども達に市民ができることはたくさんある、そんな希望をこのクリエイティブケース会議では感じることができました。
 
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*今回出たアイデア
 
①生きることに集中する大家族キャンプ
 
様々な課題を抱えている子達に旅とかどう?という話の流れから、自転車旅行など様々話が広がりました。
みんなでキャンプをすることなど、目標を決めて、そこに向かってみんなそれぞれの行き方で向かう。キャンプは、みんなでご飯を作ったり、寝泊りをしたり、自然と役割が生まれやすいから、これまであまり役割を見出せてこなかった子達にも良い機会になるのではないか。
日々様々な課題を抱えているが、一旦忘れて目の前の生きることに集中するキャンプなど面白いのではと盛り上がりました。多様な人が一緒に寝食を共にする。人と人とのつながりを縮め、家族のような関係を作れたらという話になりました。
デイキャンプ→1泊2日→14泊15日といった形で、コースを作ることや10代のママやこれから一人暮らしなどしようとしている子ども達が家事などのできることを身につける機会にもなるのではというアイデアが出ました。
 
 
②ゆるい、小さな仕事作り
 
PIECESに関わっている子達は、今所持金が300円しかないといった子や仕事辞めてしまってお金がないという事態に陥ることもあります。
そうした時に、みんな日払いやお金をすぐもらえる仕事に就こうと探し始めます。目先のお金を意識しすぎるあまり、危ない仕事につながることもあります。
職場ってなんか距離が遠い。もっと身近な人たちの中で仕事を作っていくことはできないのだろうか。
条件だとか成果だけでなく、いてくれるだけ、少し手伝ってくれるだけでありがとうと言われるような仕事はないのだろうか。
もう少し人と人との距離を縮めた仕事はないのかという話になりました。
家事のできることを助け合うサービスや近所の御用聞きをして仕事を生み出している類似のサービスもあります。
PIECESとして、様々な課題を抱える子たち向けのこうしたサービスを作りたいとアイデアが出ました。
 
③ひきこもりを仕事に
 
ひきこもりの当事者が参加していることもあって、ひきこもってしまったら、収入もなくなるし、迷惑もかける、どうしたらいいかというテーマに関して、のアイデアでした。
引きこもること自体は悪いことなのか?そうした前提に立ち、もしかしたらひきこもっていても仕事になることもあるのでは?と発想し、
独居老人だとかの家にいて、話し相手が「いる」だけで嬉しい人もいるのではないか。
独居老人などの家で引きこもることでお金を少しもらえたり、存在を受け止めてもらったり、感謝されたりすることができるのではないかというアイデアが生まれました。
 
これから引き続き、こうしたアイデアを形にするために、より多くの人の協力を募って実施していきます。
第二回目も近いうちに開催予定ですので、ご興味のある方はPIECESまでお問い合わせください。